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2016.05.26,Thu
全仏が大会4日目を終えた。

テニスは基本的にサーバー有利・レシーバー不利のスポーツだ。だからゲーム毎にサーブ権は交代するし、自身がサーバーだったゲームを獲得することは「キープ(またはホールド)」、自身がレシーバーだったゲームを獲得することは「ブレーク」と呼ばれる。

優れたレシーブ力、つまりはリターン力を持っていたとしても、自身のサービスゲームをキープできなければ勝つことは難しい。例外のケースもあるから絶対ではないけど、ブレークは勝つために必要で、キープは負けないために必要だとほとんど言えると思う。


象徴的だったのが今年4月のマイアミオープン決勝、ジョコビッチー錦織戦。両者ともに世界屈指のリターン力を持つ選手同士の対決で、人によっては、リターナーとして世界ナンバー1と2の試合と見るかもしれない(たとえばキリオスは、最も優れたリターナーとして錦織とジョコビッチの名前を挙げている)。

試合は6-3・6-3でジョコビッチが勝利した。最高峰のリターナー対決の勝敗を分けたのは、やはりサービスキープの点であったように見えた。この試合、錦織は試合開始直後の1ゲーム目を含め、2度のブレークに成功した。一方で、サービスゲームを5度落とした。ジョコビッチ視点から言い換えれば、サービスゲームを2度落としたが、5度のブレークに成功した。

ジョコビッチは決してサーブが武器の選手ではないけど、かと言ってサーブが弱点というほどでもない。対して錦織は明確にサーブが弱点とされてきた。今年の錦織はそのサーブをだいぶ改善しているように見えるものの、このマイアミの決勝においては2セットで5度のブレークを喫した。キープが前提とも言えるこの競技において、これだけブレークを許してしまうようでは勝つのは難しい。

ちなみにジョコビッチー錦織の対決は、ここ1ヶ月ほどで続けざまに3試合もあった。結果はジョコビッチの3連勝だけど、マイアミ、マドリード、ローマと回を追うごとに僅差の対決になっている。前述のマイアミでは錦織の膝の負傷を考慮しても、両者の差は6-3・6-3というスコア以上に大きく広く深く感じた。しかし直近のローマでは2-6・6-4・7-6(5)と、最終セットのタイブレークまでもつれ込む大熱戦になり、1試合におけるポイント獲得数でも112-111とわずか1ポイント差、錦織がほとんど互角にジョコビッチと渡り合った。

この3試合のサーブ関連のスタッツを比べてみると、錦織のそれがやや上昇傾向にある。

マイアミと比べてマドリードでは、1stサーブのin率とポイント率がそれぞれ伸びた。ローマでは、マドリードより1stサーブのポイント率は低下したものの、in率がわずかに伸び、そして2ndサーブのポイント率が大きく伸びている。見ていた印象では、マイアミ以降のここ1ヶ月くらい、ジョコビッチ戦でもそれ以外でもボディサーブが良いアクセントとして働いている気がする。

「錦織、王者ジョコビッチに完敗」
「錦織、王者ジョコビッチにわずか及ばず」
サービスキープが十分にできるかできないかで、これほどまでに大きく試合展開は変わる。あとほんの少しだけ運が錦織を味方していたら、ローマの勝者は逆だったかもしれない。


テニスにおいてサービスキープとはそれくらい重要なものであるから、観戦者、いや特定の選手のファンとして試合を見る場合には、贔屓にしているその選手がサービスキープできていない様子を見るのはつらい。昨晩のシモンーペラ戦は、その意味で僕にとって厳しい試合だった。

5セットマッチ、つまり3セット先取の試合で、シモンは第1セットを4-6、第2セットを1-6で落とした。第1セットの終盤はブレーク合戦となり互いにキープできていなかったけど、第2セットはシモンが一方的にブレークを許した。粘り強さ・タフさに定評のあるシモンとはいえ、いくら何でもこの日はキープが出来なさすぎたし、ストロークもどうやら低調。2セットダウンから勝つのは難しいだろう、と思ってここでスコアを追うのを切り上げた。

ただどうやらそこからが凄まじい試合だったようだ。朝起きてから結果を見てびっくりした。
4-6・1-6・7-5・7-6(4)・6-4でシモンの勝ち。終わってみればいつものフルセット芸、しかも勝ち切っている。


マッチサマリーを見てもどっちが勝者だかさっぱり分からない……というかペラが勝者にすら見える(データは全仏公式サイトによるもの)。ローマで錦織を退けたジョコビッチは、勝因について「1ポイントの差」と述べたけど、この試合では1ポイントどころか15ポイントの差があり、しかもそのポイントで劣ったシモンが試合を制した。主に第2セットのせいだけど、テニスのようなルールの競技ではたまにこういうことも起こる(実際、昨晩のマレー対ブルグ?も、マレーが総獲得ポイントではひとつ劣りながらも勝利した)。

今年1月の全豪、対ジョコビッチ戦で泥沼のようなテニスを繰り広げてから今大会が始まるまで、シモンの成績はいまいち冴えなかった。だからこそ昨晩は「この試合もダメっぽいな……」と見るのをやめてしまったんだけど、非常に勿体無いことをしたと今は思う。と同時に、こういう胃がキリキリするような試合であっても最後まで見届けられなくてはシモンのファンは務まらないなと思った。精進します。
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